食事のタイミングと認知症についてのエビデンスは限られている。九州大学の川口 健悟氏らは、深夜の夕食および朝食抜きと、認知症の発症との関連を検討した。GeroScience誌オンライン版2026年7月28日号の報告。
本研究には、2016年4月~2021年3月の19自治体におけるレセプトデータを含むLIFE研究(Longevity Improvement & Fair Evidence Study)のデータが用いられた。深夜の夕食(就寝前2時間以内の夕食を週3回以上)および朝食抜き(週3回以上)については、健康診断時に評価し、「あり」または「なし」として解析した。すべての原因による認知症の発症は、ICD-10のコードを用いてレセプトデータから特定した。関連性の推定には、死亡を打ち切りとして扱う原因別Cox比例ハザードモデルを用い、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。その際、ベースライン時の人口統計学的因子、生活習慣、併存疾患について事前に規定した調整を行った。
主な結果は以下のとおり。
・対象者28万3,166例(平均年齢:72.8±5.5歳、女性の割合:58.5%)のうち、深夜の夕食は3万6,609例(12.9%)、朝食抜きは1万7,727例(6.3%)で報告された。
・フォローアップ期間中、認知症の発症は1万8,056例、死亡は1万6,390例であった。
・深夜の夕食(HR:1.17、95%CI:1.12~1.20)および朝食抜き(HR:1.13、95%CI:1.06~1.20)のいずれも、すべての原因による認知症の発症リスク上昇と関連していた。
著者らは「日本人高齢者を対象とした大規模コホートにおいて、深夜の夕食および朝食抜きは、すべての原因による認知症の発症リスク上昇と関連していた。通常の健康診断で食事のタイミングを評価することは、認知症予防戦略において重要な意味を持つ可能性がある。しかし、これらの因果関係の特定には、さらなる研究が求められる」としている。
(鷹野 敦夫)